「食物繊維をとったほうがいい」とはよく聞きます。では、1日にどれくらい必要で、いま自分はどれくらい足りていないのでしょうか。
先に答えを書きます。目標量は30〜64歳の男性で1日22g以上、女性(18〜74歳)で18g以上。いっぽう日本人の平均摂取量は1日18.1gで、多くの人が届いていません。この記事では、その差をどう埋めるかを、公的な出典つきの具体的な食品と量でお伝えします。
1日の目標量は、年齢と性別で決まっています
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で定められている、食物繊維の1日の目標量です。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 20g以上 | 18g以上 |
| 30〜64歳 | 22g以上 | 18g以上 |
| 65〜74歳 | 21g以上 | 18g以上 |
| 75歳以上 | 20g以上 | 17g以上 |
いっぽう、実際の摂取量は1日あたり平均18.1g(20歳以上)です。とくに30〜64歳の男性は、目標まで平均でおよそ4gの開きがあります(出典: 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」)。
「4gなら誤差では」と思われるかもしれません。ですが4gは、ゆでたブロッコリー1皿ぶんに近い量です。毎日それだけ何も足していない、と考えると小さくありません。
いま食物繊維が注目されている理由
食物繊維は昔からある言葉ですが、扱いはむしろ最近になって重くなっています。理由は2つあります。
1つめは、国が目標量を引き上げたことです。 2025年版の食事摂取基準では、30〜64歳の男性が21g以上から22g以上へ、65〜74歳が男女とも引き上げられました(出典: 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書)。基準は5年に一度しか見直されません。そこで上がったということは、それだけの根拠が積み上がったということです。
2つめは、期待されている範囲が「おなかの調子」だけではなくなったことです。 厚生労働省 e-ヘルスネットは、食物繊維について、便秘の改善などおなかの調子を整える効果に加えて、心筋梗塞・脳卒中などの循環器疾患、2型糖尿病、各種のがんの発症リスク低下との関連が数多くの研究で報告されている、と説明しています。
ここは正直に書きます。「食べれば防げる」という話ではありません。報告されているのはあくまで関連であって、この記事は治療や予防を約束するものではありません。それでも、国が目標量を定め、5年ごとに見直したうえで引き上げている栄養素であることは事実です。
あと数gを足すための、食品と量
数値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」で確認したものです(2026年8月28日確認)。
| 食品 | 100gあたりの食物繊維 | よく食べる量でのおよその量 |
|---|---|---|
| 糸引き納豆 | 9.5g | 1パック(約45g)で およそ4.3g |
| 切干しだいこん(乾) | 21.3g | 小鉢1食分(乾15g)で およそ3.2g |
| ごぼう(ゆで) | 6.1g | 小鉢1食分(約50g)で およそ3.1g |
| アボカド(生) | 5.6g | 2分の1個(約70g)で およそ3.9g |
| さつまいも(皮つき・蒸し) | 3.8g | 2分の1本(約100g)で およそ3.8g |
| ライ麦パン | 5.6g | 1枚(約60g)で およそ3.4g |
| オートミール | 9.4g | 1食(約30g)で およそ2.8g |
| ブロッコリー(ゆで) | 4.3g | 小房5個(約60g)で およそ2.6g |
| 押麦(乾) | 12.2g | ごはんに混ぜる大さじ2(約20g)で およそ2.4g |
| キウイフルーツ(緑肉種・生) | 2.6g | 1個(約85g)で およそ2.2g |
| きな粉(黄大豆・全粒大豆) | 18.1g | 大さじ1(約6g)で およそ1.1g |
この表の使い方はかんたんです。足りないぶんが4gなら、上のリストから1つか2つ足せば埋まります。 納豆1パックでほぼ足ります。朝のヨーグルトにきな粉を大さじ1、昼の定食に小鉢をひとつ、それだけでも積み上がります。
※ 食物繊維は測定方法によって数値が変わることがあり、成分表の版が違うと単純に比べられない場合があります。上の数値は同じ版で揃えています。
忙しい人が続けやすい足し方は、3つです
- 炊くときに混ぜる。 米に押麦やもち麦を混ぜて炊けば、毎食ぶん自動で足されます。買い物も調理も1回増えません
- 1品足す、を固定する。 「昼は必ず小鉢をひとつ」と決めてしまう。選ぶ手間がなくなるぶん続きます
- 主食を替える。 パンをライ麦パンに、朝食をオートミールに。回数が多い食事ほど効きます
逆に、おすすめしないのは「野菜をたくさん食べる」という決意だけで済ませることです。量が数字になっていないので、足りたかどうかが最後まで分かりません。
足りているかどうかは、その日の合計でしか分かりません
食物繊維がやっかいなのは、1品ずつでは判断できないことです。納豆を食べた日でも、ほかが白いごはんとから揚げだけなら目標には届きません。逆に、意識していなくても小鉢とサラダが続いた日は足りていることがあります。
つまり必要なのは、食品リストそのものよりも、「今日ここまでで何g摂れたか」という現在地です。
メシログは、LINEに写真かひとことを送るだけのカロリー計算アプリです。カロリーだけでなく食物繊維も日ごとに積み上げていて、あなたの年齢と性別に合わせた目標量(上の表と同じ、厚生労働省の基準)と並べて見られます。
今日ここまでの食物繊維 12.4g(目標 22g以上)
こう出ていれば、帰りに納豆と小鉢を足すか、明日にまわすかを、その場で決められます。なお、栄養成分表示に食物繊維が載っていない商品もあるため、分からない品があるときは「何品が分からないか」も併せてお伝えします。数字を大きく見せるより、正直なほうが役に立つと考えているためです。
よくあるしつもん
サプリメントで足してもいいですか?
食事から摂るのが基本です。上の表のとおり、ふだんの食品でも1品足せば数gは動きます。サプリメントの利用そのものを否定はしませんが、この記事では食品での足し方をおすすめしています。
食物繊維をとりすぎると問題はありますか?
急に大量に増やすと、おなかが張る・ゆるくなるといったことが起こる場合があります。目標量は「◯g以上」という下限の目安ですので、少しずつ増やしていくのが無理のないやり方です。体調に不安があるときは医師や管理栄養士にご相談ください。
野菜を食べていれば足りますか?
野菜だけで届かせるのは、実はかなり大変です。上の表を見ると、豆(納豆・きな粉)、いも、乾物、麦やライ麦などの主食が効率よく効くことが分かります。野菜「も」食べる、が現実的です。
自分が今日どれくらい摂れているか調べる方法はありますか?
商品の栄養成分表示を見る方法がありますが、食物繊維は表示が任意の項目なので、載っていない商品も少なくありません。メシログでは、分かるぶんを積み上げつつ、分からない品があればその数もお伝えしています。
出典
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(食物繊維の目標量は「炭水化物」の章)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」(平均摂取量18.1g・健康との関連)
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース(各食品の食物繊維総量)