ダイエットの記事を読んでいると、必ず出てくるのが「メンテナンスカロリー」という言葉です。ただ、意味は分かっても「で、自分は何kcalなの?」というところで止まってしまいがちです。
この記事では、メンテナンスカロリーの意味 → 厚生労働省の基準にもとづく計算 → 自分の本当の数字を確かめる手順の順に、まとめてお伝えします。
メンテナンスカロリーとは、体重が増えも減りもしないカロリー
メンテナンスカロリー(維持カロリー)とは、1日に消費するのと同じだけ食べている状態、つまり体重が増えも減りもしないカロリーのことです。
ここが分かると、目標の立て方が一気にはっきりします。
- 減らしたい … メンテナンスカロリーより少なく食べる
- 保ちたい … メンテナンスカロリーどおりに食べる
- 増やしたい … メンテナンスカロリーより多く食べる
つまりメンテナンスカロリーは、すべての基準になる1本の線です。この線を知らないまま「なんとなく減らす」から、続かなかったり、減らしすぎて反動が来たりします。
公的な計算方法は「基礎代謝量 × 身体活動レベル」
日本では、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が計算の考え方を示しています。式はいたってシンプルです。
推定エネルギー必要量(kcal/日)= 基礎代謝量 × 身体活動レベル
① 基礎代謝量を出す
基礎代謝量は「何もしなくても使うエネルギー」です。体重1kgあたりの基準値が年齢・性別ごとに決まっています。
| 年齢 | 男性(kcal/kg/日) | 女性(kcal/kg/日) |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 23.7 | 22.1 |
| 30〜49歳 | 22.5 | 21.9 |
| 50〜64歳 | 21.8 | 20.7 |
| 65〜74歳 | 21.6 | 20.7 |
| 75歳以上 | 21.5 | 20.7 |
基礎代謝量 = この基準値 × 体重(kg) です。たとえば35歳・体重70kgの男性なら、22.5 × 70 = およそ1,575kcal。
② 身体活動レベルを掛ける
次に、動き方に応じた倍率を掛けます。18〜64歳の場合はこの3段階です。
| 活動レベル | 倍率 | どんな人か |
|---|---|---|
| 低い | 1.50 | 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心 |
| ふつう | 1.75 | 座位中心だが、移動・立位での作業・通勤・買い物・軽い運動を含む |
| 高い | 2.00 | 移動や立位が多い仕事、または活発な運動習慣がある |
計算してみると
35歳・体重70kg・活動量ふつうの男性なら——
1,575kcal × 1.75 = およそ2,750kcal
これがこの方の1日のメンテナンスカロリーの目安です。デスクワーク中心(低い)なら 1,575 × 1.50 = およそ2,360kcal と、同じ体格でも約400kcalの差が出ます。ここが見落とされがちなところで、「同じ身長・体重の友人と同じ量を食べているのに自分だけ増える」は、たいてい活動レベルの違いです。
ただし、この数字は「出発点」です
ここからが大事なところです。
上の計算は、厚生労働省が「集団の平均」として示している推定値です。同じ年齢・性別・体重でも、筋肉量、日々の細かな動き、体質によって実際の消費量は人それぞれ違います。厚生労働省自身も、推定エネルギー必要量には個人差があることを前提に、体重の変化で調整する考え方を示しています。
つまり——
- 計算で出した数字は 「たぶんこのあたり」という当たり
- 本当のメンテナンスカロリーは 実際に食べた量と体重の動きから分かる
自分の数字を確かめる手順(2週間)
やることは2つだけです。
- 2週間、食べたものを記録する(毎日の合計kcalが分かればOK)
- 同じ条件で体重を測る(朝起きてトイレのあと、が測りやすいです)
2週間後、こう読みます。
- 体重がほぼ変わらない … その期間の1日平均が、あなたのメンテナンスカロリー
- 増えた … 平均はメンテナンスより多かった
- 減った … 平均はメンテナンスより少なかった
日々の体重は水分で1〜2kg動くので、1日単位で判断しないことがコツです。2週間の平均どうしを比べます。
メシログの考え方——計算して終わりにしない
ここまでの話を、そのまま形にしたのがメシログです。LINEに写真かひとことを送るだけのカロリー計算アプリで、考え方はシンプルです。
① まず計算で当たりをつける。 体重・身長・年齢・性別・動き方から、1日の消費と目標を出します。基礎代謝の基準値は、上の表と同じ厚生労働省のものを使っています。身長を送っていただいた方には、より個人差を拾える式に自動で切り替わります。
② 記録は送るだけ。 2週間の記録が続かなければ、①の数字は当たりのままで終わります。だから検索も分量入力もなくしました。写真かひとことを送れば、その日の合計が積み上がります。
③ 体重の動きで直していく。 記録と体重が並んで見えるので、「食べた量に対して体重がどう動いたか」が自分で分かります。計算値ではなく、あなたの実測値に寄っていきます。
今日はあと 890 kcal ほど食べられます。
ひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。メシログは体型を採点しません。 身長は上の計算に使うためだけにお預かりしていて、BMIや肥満度の判定は画面にも会話にも出しません。数字は、あなたが決めるための材料であって、評価ではないと考えているからです。
なお、返ってくるカロリーはAIによる推定です(公式のデータがある商品は正確な値を使います)。写真は記録と一緒に保存され、あとから見返せます(保存は設定でいつでも変えられます)。ベータ版として無料で公開中です。
よくあるしつもん
メンテナンスカロリーとTDEEは違うものですか?
ほぼ同じものを指しています。TDEE(総消費エネルギー量)は「1日に消費する総量」、メンテナンスカロリーは「それと釣り合う摂取量」で、見ている向きが違うだけです。日本の公的な資料では「推定エネルギー必要量」という言い方をします。
ダイエットしたい場合、どれくらい減らせばいいですか?
一般に、極端に減らすと続かず、筋肉量の減少にもつながりやすいといわれます。メンテナンスカロリーから1日200〜300kcal程度を目安に控えるやり方が、無理が少なく現実的です。持病がある方や、大きく減量したい方は、医師や管理栄養士にご相談ください。
計算した数字どおりに食べているのに体重が変わります
計算値は平均から出した推定なので、実際とずれることは普通にあります。その場合はずれているのが正しい情報です。上の2週間の手順で実測に置き換えてください。もうひとつ多いのが、記録から漏れている分(飲み物・間食・調味料)があるケースです。
体重を測るのが苦手です
毎日でなくてかまいません。週に2〜3回、同じ条件で測れば傾向は分かります。大事なのは「1日の数字に一喜一憂しないこと」です。
出典
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(基礎代謝基準値・身体活動レベル・推定エネルギー必要量は「エネルギー」の章)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット